カテゴリ:魯敏・離歌 ( 14 )

離歌1

                           離歌                       魯敏 

  暴雨下了整整一夜,三爷惦记起东坝的那些坟茔,其下的肉身与骨殖,陪葬衣物,以及棺木,必定也在泥土下湿漉漉地悬浮着吧……他睡不着。
 挨到天亮,起来一瞧,发现门前河上的木桥给冲塌了。腐朽的木板散在河面,流连忘返地打着圈儿,最终与断绳、树枝、蓑草之类的一起,头也不回地漂走了。所幸他那条颜色发了黑的小船还在,水面儿上一上一下地晃着。
  没有人会修这座桥的。

 嵐は一晩中吹き荒れて、三爷(サンイエ)は東の土手の墓地が気がかりだった。仏も埋葬品も棺桶も泥土の中で湿り浮き上がっているのではないだろうか・・・彼は眠れなかった。

 夜が明けて見に行けば、戸口の前の川に掛かる木橋は押し流されていた。朽ちかけた木の板は川面に散在し帰るのも忘れたように回転していたが、終には縄を解き木っ端となり渦を抜け、樹の枝や草々と共に流れていく。幸いにも彼の黒ずんだ小舟はまだそこにあり、上に下にと揺れていた。 
  誰もこの橋を修理しない。  

  这么些年,人们从来都不用过桥,反正桥这边就只三爷一人。找他的就只站在对面,闷着嗓子用那样一种压抑的调子喊:三爷,西头的五姑奶奶过去了。三爷,栓子给电没了。三爷,江大年家的小媳妇喝农药走了。
  不论什么时辰,他即刻便穿了素衣出门去,小木桥摇晃着,河水在下面流,只照着他一个人的身影。人们要瞧见他过桥,便会互相地说:今天,三爷过桥了……这是当消息来说的,说的与听的皆明白:东坝,又有谁,上路去了……
 赶过去,那家里的大人孩子往往木呆呆的——就算平常见过多次邻里办丧,就算是上得了场面的人,临到自家,还是无措。大家都说:每到这个时候,就瞧出三爷的心硬来——他伸手抹一抹脸,几乎面无表情。  
 
もう長い間、村人が橋を渡ることはなかった。いずれにしろ橋のこちら側は三爷ただ一人しかいない。彼に用事なら向こう側に立ち、喉を絞って太い声で叫べばよい。「三爷、西頭の五姑が逝ってしまった~」だの「、三爺、栓子が感電して往生しちまった~」だの「三爷、江大年家の若い嫁が農薬を飲んで事切れた~」といった具合に。

 それが何どきであろうが彼はすぐに喪の服を着て出て行った。小さな木の橋は揺れて、下に流れる川の面はただ彼の影だけを映した。人々は彼が橋を渡るのを見れば行きあった人に話す。今日、三爷が橋を渡った・・・これで話は伝わり、話し手も聞き手も理解している。東堰で、また誰かが旅立ったのだ・・・
 
駆けつければ、往々にしてその家の大人も子供も茫然としている---たとえ、普段から何度も近所の葬式を出すのを見、それに参列していたとしても、自分の家の事となれば狼狽してしまう。人々は言うのである、「いつもその場になると、三爷は根性を据えるね。」--------彼は顔を手で拭って殆ど無表情になる。
 
  头一件事,是替新亡人收拾身子,趁还温软着,给他穿衣戴帽收拾整齐,完了头外脚里,让他躺得端端正正;接着悬挂门幡,设堂供奉,焚香化纸;再坐下开出一条货单,着人上街采买:白布、红布、黑布,各若干;别针;笔墨;黄纸红纸;白烛;大香;纸钱若干;草绳数丈等等。
  再在亲友中物色一个识文断字的,让其主管出入:吊唁的这时陆续赶到,进门便要奉上礼金与纸钱,需由他一一录下。有些远亲,多年不通来往,但只要得了信儿,也必定赶来,叩个头、化个纸。这里头,大有讲究,其严谨程度,远胜婚典。
  接着是找人搭席棚、找念经和尚、找做酒席的、找石匠刻碑、找风水先生、找吹打班子……

  先ず新仏を清めて、まだ温もりのあるうちに服を着せ帽子を被せ、頭から足まで整え終わると仏をきちんと横たえる。続いて入口に幟を掛け祭壇を設え、香を焚き紙銭を燃やす。それから腰を下ろして必要な物をメモし、街に買いに行かせる。買ってくる物は、白布・赤布・黒布に、止め針、筆と墨、黄紙赤紙、白蝋燭、長線香、紙銭、わら縄数尺等々。
 
次に親戚のなかで読み書きの出来る者を探し、金銭の管理を任せる。弔問客がその頃には続々と駆け付け入口で香典や紙銭を納めるので書き留めなければならない。遠い親戚の中には、長いこと行き来のない者もいるが、知らせを受ければ、必ず駆けつけて、叩頭し紙を燃やす。この土地ではその式次第はたいそう重んじられ、厳粛さにおいて婚礼をはるかに勝っていた。 
 
また、アンペラ小屋を組む者、経を読む和尚、清めの席を設える者、墓石を彫る者、風水を観る者、楽器の奏者をと、其々手配する・・・
  
  这样吩咐了一大圈,家里人慢慢镇定下来,前来帮忙的邻居们也各自得了事情,场面有些像个样子了。妇女们分成几堆,或围在厨房择菜洗涮,或在院中撕剪孝布,或在堂屋里叠做纸元宝,她们这时总会热烈地怀念新死者,于此种谈论中,后者皆可获得新的生命与新的品性:性情温和、节俭克己、心灵手巧……
  而这时,三爷也才终于得了空,问过主家的意愿,他便要过河回家扎纸人纸马了——三爷打小就是靠扎纸活儿谋生的,只因见的丧葬多了,又无家室,慢慢儿的,顺带着张罗起东坝人家丧葬的大小仪式。

 これらの指図がひと通り済むと、家族は次第に落ち着き、先から手伝いに来ていた隣人たちも各自の分担を心得て、場はそれなりの様子になっていった。女たちは幾つかに分かれて台所で菜の下ごしらえ、庭で孝布の準備、室内では紙金の整えと働き、作業をしながら彼女たちは死者を心から悼む、ここでの語らいのなか、逝った者は新しい生命と新しい人格を得る。穏やかで、つましく我慢強く、頭がよくて手先が器用だったね・・・

 これで三爷はやっと手が空く。喪主に断わって、河を渡り家に戻り紙銭紙馬を束ねる---- 三爷は子供の時から紙銭作りで生計を立ててきた。係わった葬儀は多かったし、家族がいないこともあり、徐々に東堰の人々の葬式の大なり小なりを取り仕切るようになっていった。
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by dangao41 | 2011-08-15 14:58 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌2

  三爷在门前收拾小黑船时——多日不用,里头满是树叶与蛛网,甚至还长出几簇野菇——彭老人出现在河对岸,带了个小木凳,坐下来,掏出水烟壶,像是要跟三爷长谈。
 
三爺が戸口前で黒い小船の手入れをしていると-----長いこと使っていなかったので中は木の葉やクモの巣で一杯であったし、茸すら幾つか生えていた-----彭老人が向こう岸に姿を見せ、持ってきた小さな腰かけに座り、水煙管を取りだした。三爺とゆっくり話をするつもりのようであった。

  彭老人七十有三,比三爷整大上十岁,可身体真是好,他在河对面说话,那样响亮亮的:“这两天没事儿?”
  “也说不好。所以我得把船侍弄好,往后要靠它了。”
  “怎么的,这桥不修了?”
  “就我一人在河西……噢,还有那半片山。”三爷回头努努嘴。
  “不管河东河西,那也是咱东坝呀。”
  “要能修那是敢情好。不过划船也成。”
  “我替你找人去。这桥怎能不修呢……”彭老人凹着腮咕噜噜抽烟。
 
 彭老人は七十三歳で三爷より十歳上だが、体はいたって丈夫であった。向こう岸から大きな声で話し掛けた。「ここのところ何もないか?」
 「まぁ何とも言えないな。それで船の準備をしている。これからは必要だから。」
 「なんでだ、橋を直さないのか?」
 「俺ひとりしか河の西側にいないし・・・ああ、あの山の半分もあるけどな。」三爷は顔を山の方に向けて答えた。
 「河の東だろうが西だろうが、俺たちの東堰じゃないか。」
 「修理できればそれに越した事はないが,船を漕げばそれでも済む。」
 「俺が誰か探してきてやる。この橋を直さないで済むものか・・・」彭老人は頬を窪ませてくうくうと煙草を吸った。

  这个彭老人,三爷知道的,并不能算是个热心人物。他发妻早故,两子一女都在不得了的大城市里发达,要接他同去享福,可他脾气固执,偏要独自留在东坝因子女出息,他颇受尊重,不过,这桥,就是他去找人恐怕也是没用的。

 彭老人は親切とは言えない人だと三爷は思っていた。早くに妻を亡くし、一男一女は大都会で功を成していた。子供たちは一緒に楽な生活をと誘ったが老人は頑なに東堰で一人で暮らしていた……子供たちの出世で人々は老人に一目置くようにはなっていた。しかしこの橋は、老人が人探しをしたとて無理であったろう。

   ——其实,桥塌的第二天,整个东坝就都知道了,大人小孩没事时,就在河对面站一站望一望……哎呀,连个桥桩都没得了!冲得干干净净的……可不是吗!冲得干干净净的,连个桥桩都没得了!大家就这样热闹地说说,有的还跟三爷打个招呼,问他半夜里有没有听到动静,然后平常地就走了。
  没人提修桥的事,就跟棵大树给雷劈倒了似的,难道还要去扶起来不成。

 ——実際、橋が壊れた翌日、東堰の人々は皆それを知って、大人も子供も暇があれば河の向こうに立ち、眺めていたのである……あれま、橋げたまで無くなった!きれいさっぱり流されたもんだ……全くな!きれいさっぱり橋桁までだよ!人々はこの様に賑やかに喋くり、三爷に挨拶して夜中に物音を聞いたかと問う者すらいたが、その後は何事もなかったように立ち去るのであった。
 誰も橋の修理の事など持ち出さなかった。大木が雷に打たれて倒れるように、どうしようもないだろう、というわけだ。

  “算了,你不是不知道,他们管这桥叫奈何桥。就算修了,也没人走……”三爷可不愿让老人费神。
  彭老人摇摇头,不肯接话。他扯起别的。
  六月的阳光有些烫地照下来,河对面的青草绿得发黑,难得有人陪三爷聊天——人们日常见了他,看看他的手,总觉得凉丝丝的,有些惊惶,不知说什么才对——他便进屋里拿了家伙们出来扎。蓝的屋、黄的轿、红的人、白的马……五颜六色的扎纸排在地上,煞是好看。

 「いいんだ、あんたも分かっているだろう、みながこの橋を“しょうもない橋”と呼んでいるのを。だからもういい、直したところで誰も渡らないのだから……」三爷は老人を煩わせたくなかった。 
 彭老人は頭を振ったが、返事はせず話題を変えた。
 六月の太陽は火傷しそうなくらいに照りつけ、河の向こうの草の色を深くした。三爷に話し相手がいる事はめったにない——人々は常日頃、三爷に行きあって彼の手を見ると、どうしたものか薄ら寒さを覚え、些かうろたえるのだった——三爷は家から紙細工の道具類を持ち出し作り始めた。藍色の家、黄色い輿、赤い服の人、白い馬……色とりどりの紙類は地面に並べられて、とても美しかった。

  彭老人看了也欢喜,好奇地问这问那,好啊,三爷顶喜欢人跟他谈扎纸……金山银山、高头骏马、八抬大轿、宽宅院子、箱柜床铺、红漆马桶、绿衣丫头,好比另一个物事齐全的花花世界,热闹极了……送到主家那里,排在院子里,大人孩子先就围上来,指指点点,莫不赞叹,那才是三爷最得意的时分。

 彭老人もそれを目にすれば面白く、興味深げにあれこれと問いかけた。よし、いいぞ、三爷は紙の副葬品を話題に人と話すのが好きだった……金の山銀の山、堂々とした駿馬、立派な輿、広い邸宅、箱に箪笥に寝台、赤漆のおまる、緑の服の娘さん、あたかも一切合財揃った楽園のようで、賑やかな事この上ない……喪主の家に届けて庭に広げれば、大人も子供も我先にと取り囲み、指さして感心しない者はいない。これこそが三爷の最も満足の時であった。
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by dangao41 | 2011-08-15 13:18 | 魯敏・離歌  | Comments(2)

離歌3

  为了桥,彭老人真的开始找人了。三爷知道他都找了些谁——他找的每个人,最终都会到三爷这里,隔着白白的河水,有的扯弄青草,有的头上戴顶帽子,有的夹个皮革包。都是在东坝主事的人物。

 橋の件で老人は本当に人探しを始めた。三爺は老人が何人かに依頼したのを知った——老人が頼んだ者たちは結果的には三爺の処へ、橋のない河の向こう迄くることは来た。有る者は青草を弄びながら、有る者は帽子を被って、有る者は革鞄を抱えて。皆、東堰の顔役であった。
 
  “三爷,这桥,你看看……”扯青草的手指绿了,却把青草含在嘴里,多美味似的。
  帽子是旅行帽,上面一圈小红字“×台县旅×团”。
  皮革包里放着个茶杯,鼓囊着。
  他们总一边说,一边那样地看着三爷、用那样的语气。“三爷,你看……”
  “由它去由它去。不是也有船么……”三爷懂事,急忙拦下。
  “那也行,就照三爷您的话办……对不住了哈,其实树料有的是,可咱东坝没有造桥的人才,好不容易在邻村寻访到个,人家却百般不肯,说是晦气……”他们慢吞吞地侧着身子走了,眼睛躲开,不看三爷。
 三爷倒觉得难为人家了。

 「三爺、この橋,どうしたものかなぁ……」青草を千切っていた指は緑に染まり、旨い物のように草を口に含みさえしていた。
 帽子とは旅行に行った時の物で、“×県旅行団”の赤い文字が上側にぐるっと付いていた。
 革鞄の中は茶碗が入っていて膨れ上がっていた。
 彼らはみな、喋りながら意味ありげに三爺を見ながら、意味ありげな口調で話した。「三爺、あのなあ……」
 「ほっとけ、ほっとけ。船がないわけじゃなし……」三爺は飲み込んで慌てて遮った。
 「なら、やはりそうして貰おうか、三爺がそう言うなら……済まないな。実際、木材は賄えるが、この東墳には橋を作れる者がおらん。近くの村でやっと探したんだが、あれこれ言って承知しない、縁起でもないと言ってな……」彼らはぎこちなく向きを変え行ってしまう。目を逸らし、三爷を見ようとしないで。彼は却って皆を気の毒に思った。

  其实,真没什么。桥塌了后,他已划着小黑船出去过两趟。桨动船行,一船的纸车纸人儿,花花绿绿地倒映在水里,那样碎着、散着,直晃荡着。他一边划船一边瞧那水,竟感到某种异样,好像下面的水会一直通向无边的深处……就这么划着,也不坏。

 実際、本当に何でもなかった。橋が壊れた後、彼は黒い小舟で二往復していた。漕いで船が進むと、積み込んだ紙車や紙人は色とりどりに水面に映って、砕けて散り、ゆらゆと揺れた。漕ぎながら水面を眺めていると、一種異様な感覚におそわれる。まるで水の底がずんずんと無限に深い処へ通じているような……この様に漕ぐのも、また悪くはない。
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by dangao41 | 2011-08-15 12:31 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌4

  过了几天,彭老人又来了。仍是小木凳、水烟壶。太阳蛮好的正午。
  “你这小老弟,怎么能说不要呢……害得我白费劲。”他埋怨地看着三爷。“这桥又不是你一人的,说不要就不要。”
  三爷连忙认错儿,得给老人台阶下呀。“全是我的错儿。这么的,哪天我请你喝两口儿。赔罪。”
  “他们不弄,我弄。”彭老人垂着眼皮给烟壶装烟,一点不像玩笑。“你难道忘了,我年轻时也学过两天木工活儿。”
  七十三岁的老人家,真动了犟心思也难办。“哈哈。”三爷空笑两声,埋头扎纸人,不敢应答。

 数日後、小さな腰かけと水煙管を携えて老人はまたやって来た。太陽が照りつける正午であった。
 「お前はまた何でいらないなどと言ったのか……俺の骨折りを無駄にしたぞ。」
老人は恨みがましく三爺を見た。「この橋はお前一人の物ではないのに、要らないと簡単に言うな。」
 三爷はすぐさま誤りを認めて、老人の顔を立てた。「全くだ、悪かった。そうだな、いつか酒を奢らせてもらうよ、埋め合わせにな。」
 「あいつらがやらないなら、俺がやる。」彭老人は目を煙草壺に向け葉を詰めながら言ったが、全くの本気だった。「俺が若い頃、大工の弟子を二日やったのを忘れてやしまい?」
 七十三歳の老人の頑強な決心は厄介でもある。「ははは。」と三爷は空笑いをし、仕事を続けて返答を避けた。

  这次手里的活儿,难。昨天新死的是个年轻孩子,头一次跟叔叔出门到县城办买卖,谁承想遭了车祸,瞧瞧,都还没娶亲呢,都还没见过世面呢……那做娘的,整个晚上都在跟三爷抽抽咽咽,想到什么便说什么:给他扎个三层洋房子吧,装潢好的,扎个最贵的小汽车吧,扎个带大浴缸的卫生间吧……还能不能再扎个纸媳妇呢,像电视里一样漂亮的……
  彭老人见三爷撅嘴费着心思呢,便不说话,也不走,就在河对面儿一直坐着,眼睛直在水上望来望去。

 今回の仕事は、しかしやりにくかった。昨日死んだのは若い子で、初めて叔父と一緒に街へ商いに行ったのだ。輪禍に会うとは誰が予想したであろう。さてさて、まだ嫁取りもしていないのに、世の中も知ってはいないのに・・・その子の母親は一晩中ずっと嗚咽しながら三爺と一緒に作る物を考えた。三階建ての洋館を作ってやろう、綺麗にしつらえよう、とても高価な自動車もだ、大きな浴槽のある洗面室と・・・そしてテレビで見るような綺麗な紙の嫁さんを作る事が出来るだろうか・・・
  彭老人は三爷が唇をとがらせて思いを巡らせているのを見ると、話し掛けはしなかったが、立ち去りもしなかった。川向こうにじっと座って目を水の面に向け眺めていた。
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by dangao41 | 2011-08-15 11:35 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌5

  第二天,还没起呢,三爷就听到外面有声响。
  出门一看,不得了了,河对岸真一顺溜躺着十来棵树料呢,太阳正爬上来,橙红色的,甜美地照着,那有粗有细的树们像洒了层金粉。
  彭老人坐在一边的木凳上歇着抽水烟,见三爷愣着,忙摇手解释。“不是我自己弄来的,着了几个上学的大孩子,干了整一个钟头……”
  “……”三爷还是说不出话。
  “总之,你就瞧着好吧,这桥,我会慢慢儿地做起来……”
  三爷抬眼量量这河,虽不算宽,总也有五六丈吧。他不明白,这老人怎么就把弄桥的事当真了?
  “你不信?就知道你不信!”彭老人蛮得意似的。
  “唉哟……老哥,你这样,不是要折煞我?这桥,可不是一日两日的工夫……”

 翌日、まだ寝ている時に外で声がする。
 出て見れば、なんと云う事、向こう岸にずらりと10本の木材が揃えてあるではないか。ちょうど日が昇りはじめ、オレンジ色の心地よい光で照らされた太さも様々な木材は、さながら金の粉を振りかけた様であった。
 老人は傍らの腰かけで水煙管を吸い休んでいた。三爺の驚いたさまを見ると、慌てて手を振り説明した。「俺が自分やったんじゃない、若い子たちに運ばせた、まるまる一時間かかったが・・・」
 「・・・」三爺は言葉も出なかった。
 「とにかく、見ていてくれ。この橋な、俺がゆっくりと作るから・・・」
 三爺は目で河を測った、幅広いとは言えないとしても、5,6尺はあるだろう。老人がなぜこの橋作りを本気にしているのか、三爺には分からなかった。
 「信じてないな?分かってるぞ!」老人は得意そうに言った。」
 「いや・・・あにさん、そこまでして貰っては悪いよ。この橋は一日二日じゃ終わらない・・・」

  老人不答,只抖擞着提一提肩,拿出套木匠家伙,当真下手了。
  他随便挑了棵树,地上左右清理一番,竟开起料来,细细的钢锯在老树干上慢慢地拉,新鲜的木屑扬到草地上。
  三爷急得身上冒汗,但不知怎么办,偏偏今天约好给那新死的孩子送纸人纸马……他只好撂下老人,从屋里把昨天扎好的汽车、洋房、卫生间、漂亮媳妇什么的一样样往小黑船上放。
  ——彭老人倒停下来,看得十分认真。三爷划着船到河中央,水里显现出破碎着的黄红蓝绿……老人突然干巴巴地叹了一句:好看。

 老人は答えず、さてと肩を回すと大工道具を取りだして実際に始め出した。
 続いて材木を選び、周りを片づけると、本当に木を切り始める。注意深く鋸を木に当てゆっくりと引いた。きれいな木屑が草地に落ちる。
 三爺は気が急いて汗が吹き出るがどうしていいか分からない。あいにくと今日はあの死んだ若者の副葬品を届けると約束してある・・・彼は老人をそのままにし、家から昨日整えた自動車、洋間、洗面室、綺麗な花嫁などの一揃いを持ち出して、黒い小舟に積んだ。
 ---すると老人は手を休めて興味深々に見詰める。漕いだ船が河の中程に達すると、水面は砕かれた黄紅青緑の様々を映し出した・・・老人は思わずしわ枯れた声で、綺麗だ、とため息を漏らした。
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by dangao41 | 2011-08-15 10:08 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌6

  就是从这天起,彭老人,每天都在小河岸上做活了。他性子慢,手艺也生疏,或者也是为着省力气,好几天下来,才忙了一根料,到下半端----太粗了,得两个人锯,三爷急着欲划船去帮忙,他却得意地一摆手:不开了,留着这个大枝丫,正好做桥墩。
  彭老人这样一弄,动静自然是大了。有事没事的,总有人过来看热闹。

 その日から、老人は毎日小さな河の岸辺で仕事をした。のんびりした性格で腕も鈍っていたし、或いは力を出し惜しみしたのか、数日経ってもまだ一本の木材に取り組んでいた。根元の方となると----とても太く、鋸を当てるには二人要るだろう。三爺は急いで船を漕ぎ手伝いに行こうとしたが、老人は得意げに手を振って断わった。「切り落とさない、この二股の大枝は残しておく。橋桁にちょうどいい。」
 老人はこのように仕事をし、話は自然と広まった。事があろうがなかろうが、いつも誰かが見にやって来た。
  
   妇女们捧着饭碗,孩子们一放学就先过来玩一阵。洗衣服的、淘米的、刷马桶的、给牛洗澡的,忙好了也不走,继续赖着。就连小狗小猫,也都晓得到这里来找主子了。
   男人们平常只是在地里苦,瞧到这造桥的活儿,反觉新鲜有趣,手便发痒,彭老人笑眯眯地拿出两把锯子——竟是早有准备的。学几下,男人们竟也上手了,力气直往外冒,你来我往地干得欢天喜地。
   这么着,还真的呢,众人拾柴火焰高,眼瞧着,那一排溜的树料就变成木板了,一片片儿整齐起来,码在树下,很有一种气象。

 女たちは茶碗を下げて、子供たちは学校が終わると直ぐに先ずやって来てひとしきり遊んだ。洗濯だ、米とぎだ、便器洗いだ、牛の水浴びだと、忙しいのに立ち去りもせず屯している。犬猫さえも知っていて飼い主を探しにやって来た。
 
 男たちは普段の畑仕事だけで疲れているのだが、この橋作りを見れば、却って目新しい興味を覚えむずむずした。老人はにこにこと二丁の鋸を差し出す---とっくに予測していたようだった。何度か試すと、男たちは事の他に上手であった。力いっぱい、代りばんこに大喜びで仕事した。
 このように、全くのところ人が多くなれば力も大きくなる、見る見るうちに、あの一揃いの木材は板になり、一枚一枚整えられ、木の根元に積み上げられた。たいそうな勢いであった。
 
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by dangao41 | 2011-08-15 09:46 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌7

  没旁人的时候,彭老人就跟三爷聊天,他总有这样那样的问题,好像头一天晚上在家里想好了揣在怀里似的,隔那么会子掏出来一个。
  “……三爷,有这么回事儿吧,人走之前,要是三天三夜不吃东西,身子便不会发臭,可以停放很久……”
  “要说老人啊,到岁数走的,那最后几天,肯定是水米不进的。所以,打我手上侍弄的,真一个个再干净不过……”说了一半,三爷想起来,对面这老人家也是七十三了,记住说话要仔细些。
  “你替人守过夜,听说,那最后一个晚上,人是会动一动的,那就是魂脱了肉身,把他所有念想的角落都要去看一看、走一走……那他是挑几个地方重点走一走呢?还是来得及仔仔细细全都瞧上一遍?”
  “这个啊……也说不好,反正,家里人记住所有的门都不能关就是……”三爷含含糊糊地答了。
 丧仪里的门道多得很,总之,一切只当那新死者是个刚投胎的孩子,吃的穿的用的包括走的道儿,都要替他一样样备好……这方面的话题,平常总有老人拐弯抹角地找三爷谈,一边那样当真地盯着他的眼睛,好像他真是阴间跟阳间的一个信使,两边的事都应当一清二楚。
 
 人が傍にいなければ、老人は三爷と話しをした。老人はいつもあれこれと問いかけた。まるで一晩中家でよく考えて胸に仕舞い込んだものを、暫くして出してくるようなものであった。
 
「・・・三爷、こんな事があるだろうかな。人は逝く前に、3日3晩食べなければ、体は臭わない、たとえ棺を長いこと置いておいても・・・」
 
「年寄りが逝く時ならなぁ、最後の幾日かは確かに物を食べないな。だから、丁寧に、本当にこれ以上清められないくらいにするけれど・・・」話しの途中で彼は思い至った。この老人も七十三歳である、気を配って話さなければならない。

 「通夜をしていると、聞くところでは、その最後の晩に、人は動くことがあるのだってな、それはつまり魂が肉体を離れて、心を残した隅々の全てを訪れるのだと・・・それでは、人は幾つかの場所を選ぶのだろうか?それとも此れ迄の仔細を全部一度に見るのだろうか?」
 
「それも・・・なんとも言えないな。いずれにせよ、家族は家中の戸を閉めちゃいけないのを忘れずにな・・・」三爷はあいまいな返事をした。
 
葬儀には多くの決まった手順がある、概して、一切はその新仏の生まれ変わりの子供のためで、食べる物着る物使う物を持たせて送ってやる、その子の為に準備万端整える・・・、いつもは遠まわしに三爷に探りを入れる老人が、この話題となると打って変わり、しかと彼の目を見詰める。あたかも三爷があの世とこの世を結ぶ使徒で、両界の事情をはっきりと知っているはずだというように。

  可三爷真不乐意跟老人们谈这些,他不愿看他们那依然活生生的脸,依然热乎乎的身板子。
  那一看,似乎就能够想象到,到了彼时,他眼洞凹陷,牙齿外露,须发继续生长,一夜之间花白杂乱……
  彭老人瞧出三爷的不自在,便哈地一笑换了话题。“小老弟,我倒问你,为何偏不娶妻生子?”

 しかし三爷は老人達とこのような話をするのはとても嫌だった。彼らのまだ温かい体と、生き生きとした表情も見たくなかった。
 
見れば、その日が訪れた時の、眼球が落ち窪んで、歯を剥きだし、一晩で乱れて死後も伸びる白髪交じり彼らを想像してしまうのだ・・・
 
彭老人は三爷の困った様子を見ると、「ははは」と笑い話題を変えた。「ちょっと聞いてもいいか、なぜ嫁を貰わなかった?」
  
   三爷沉吟着,怎么跟他说呢——――唉,从年轻时跟师傅学扎纸人马开始,打他眼里看过的,什么样的没有。新媳妇头胎难产去了的,活蹦乱跳夏天嬉水给拖走了的,喝醉酒落下茅坑起不来的,过大寿吃鱼给卡死的,造新房掉石灰坑里给烫没了的……哀乐相连,喜极生悲,生死之间,像紧邻的隔壁人家,一伸脚就过去了……他是越看越惊,越看越凉,凉了又温,慢慢地回转过来、领悟过来:罢了,索性——不娶妻,无得便无失;不生子,无生便无死。一个人过吧。
  “我这营生,哪个女人愿意?只能做老光棍呗。”三爷答。他一般总跟人这样说。他怎么好说实话呢,说出来好像就扫兴了、就得罪人家的平常日子了。
  “那你……倒是喜欢过哪个女人没有?你跟我说实话。完了我也跟你说个实话,说个我喜欢的……”彭老人要笑不笑的,谈兴正浓。
  “别难为我了。你有你就说吧。”三爷看出来,自己就是屁都不放一个,彭老人也是要说的。
  “算了,改天吧。”老人却又失悔了,缩了回去。他摆弄起一堆木板子,挑着长短厚薄,分堆儿搭配。

 三爷は考えこんでしまった、どう言ったらいいだろうか---そう、ごく若い時から親方に弟子入って副葬品作りを始めた。彼は何だって見てきた。若い嫁が初めてのお産で死に、夏の日に元気に水遊びしていた子が溺れて死に、酔っぱらいが便つぼに落ちて死に、老人が還暦のお祝で食べた魚の骨が喉に刺さって死に、新築の家の石灰穴に落ちて焼け死んだ者も・・・哀楽相連なり、喜びの極みに悲しみが生じる、生と死は壁で隔てた隣人のようだ、一歩を踏み入れたら届くのだ・・・見れば見るほど彼の心は冷えていった、経験するほどに虚しくなった。しかし冷えれば又温かくもなる。ゆっくりと気持ちを切り替えていくと、悟りが訪れた。もういい、いっそのこと---妻は要らない、いない者はいなくならない。子供も持たない、生まれなければ死にもしない。一人で生きて行こう。
 
「こんな仕事では、どんな女が俺に嫁ぎたいと思うか?独り身でいるしかない。」三爷は答えた。彼はいつも人にはこう言うのであった。本当の事を話せるものか、とたんに興ざめだ。人を不愉快にさせる。

「それでは、お前・・・好きな女はいなかったのか?話せよ。そうしたら、俺も話してやる。好きだった女の事を・・・」老人は曖昧に笑い、話に引き込もうとした。
 「困らせないでくれ。あにさんにあるのなら話せばいい。」彭老人でさえあったその種の話が、自分には何もないと三爷は思い知った。
 「もういい、今度にしよう」しかし、老人は悔やんでもいた。身をすくめて仕事に戻り、長さや厚さで板を選り分け其々に積みあげた。
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by dangao41 | 2011-08-15 08:38 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌8

  三爷今天倒洒了几滴泪,背过众人——他宁可人家说他心硬,也不愿露出弱来。死的是胖大婶,她很胖,胖得走路有点外八字,胖得半夜睡着觉就突然过去了。
  这胖大婶,炒菜功夫好,不管多大的席面儿,她捧出的几十道菜,从来没人说淡嫌咸——莫道这话说得平常,炒三桌菜跟炒十桌菜,搁几把盐、下多少料、放几瓢水,要做到淡咸调停,岂是易事。东坝人家办丧事,头一桩要撑起台面的,就是这酒席要办得大、办得好,一应乡邻亲友,个个都要喝个脸色通红才算完事。二三十桌的流水席,随到随开,开了便上菜,上菜了便喝酒,酒足了便耍拳,越是闹腾才越是丧席的气派。胖大婶带着几个本家媳妇,前后伺候,绝无差池……

 この日、皆に背を向けて三爷は涙をこぼした---人には寧ろ情が薄いと思われた方がいいのに、思わず弱さを露わにしてしまった。死んだのは胖大婶だった。とても太っていたので外股で歩いていた。とても太っていたので夜中に寝ているうちに逝ってしまった。
 
胖大婶は料理が得意だった。どんなに大勢の宴席でも幾十もの料理を出して、誰にも味付けの文句を言われた事がない---実に大したものであった。三卓分であろうが十卓分であろうが、塩を幾掴みか振り、材料を入れ、水を掬って加える。ちょうどよく加減するのは易い事ではあるまいに。東堰の葬式では人々は体裁を重んじる。酒席は盛大に充分でなければならない。全ての同郷、親戚、友人の人々が顔が赤くなるまで飲んでやっとお開きになる。二,三十卓の流れ宴席では、客が入ってくれば料理を運び、料理が来れば酒を飲む。満足いくまで飲めば拳となる。騒ぎが賑やかな程、葬儀の格も立派と云う事になる。胖大婶は本家の嫁たちを従えて、初めから終わりまで一切が完璧であった・・・

  到了晚间,众人都散了,只有大和尚还在念经,供堂里烟雾缭绕,长明灯照着人影子都大了起来……胖大婶又另外收拾出几碟干干净净的菜,喊着三爷跟大和尚,还有帮厨打下手的,慢慢地吃喝。三爷这时也喝点酒解乏——总是胖大婶替他倒,倒一杯,他喝一杯,倒两杯便喝两杯。有时胖大婶忘了,不倒,也就不喝了。
  胖大婶每次起锅盛菜,都会先让出一小碟来,放到新死者的供桌前,对着那放大的相片儿轻声劝菜:趁热乎的,多吃点儿。
  可胖大婶自己也走了。

 夜も更けて、人々は去り和尚だけが経を唱えている。堂内は煙が立ち昇り、大きな灯りが人影を大きく照らしだす・・・胖大婶は片づけた皿に、また特別に菜を綺麗に盛り付けると、大声で三爷と和尚、台所の手伝いにも声を掛ける。ゆっくりやってね、と。三爷もこの時は飲んで疲れを癒す---いつも胖大婶が注いでくれる。一杯注がれたら、一杯飲む。二杯注がれれば二杯飲む。胖大婶が忘れて注いでくれなかったら彼は飲まない。
 
胖大婶は料理を盛る度、いつも先ず小皿に取って新仏に供える、大きく伸ばした写真に向かい小さな声で勧める「熱いうちに、たくさん食べて。」
 
それだのに、胖大婶自身が逝ってしまった。
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by dangao41 | 2011-08-15 07:17 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌9

  第二天扎纸活,三爷另外送给胖大婶一个电冰箱。这玩意儿三爷没用过,估计胖大婶也没用过。可他知道,电冰箱是好的。一边扎,他一边跟彭老人说了会儿胖大婶。唉,一算,胖大婶才刚过六十呢。看人的命哪,多靠不住。
  彭老人在敲榫头,这活计耗人,他做得更慢了——最近,他开始把小木板一条条钉成大桥板,大桥板很宽,能容两人同行。他说,要弄,就弄座又宽又结实的好桥。三爷心下失笑,唉,这桥上面,怎可能人来人往,宽了也白宽。
  叮叮当当、慢慢吞吞地敲打中,他们还谈起东坝别的那些老人。哪个,是七十七走的,哪个,八十一走的,哪个,小五十就走了,唉,他们的模样、习性、口头禅,都还记得清楚着呢。三爷甚至记得,他们还活着的时候,就爱追着一家家看丧仪,越是年纪大了越是看得仔细——似是在看一场主角不同的预演,那神情,分明是心中有数、万事乃足。其实,他们对死亡的最大期许便是:床前晚辈儿孙齐全着,自己全身囫囵着,里外衣裳整齐着,安然死在自家的床上……可不能像城里人,切掉这个、割去那个,最后浑身插满管子,匆匆忙忙地死在不知哪里的医院里……那多可怜!这么的一比,瞧咱胖大婶倒有福气,死得可真好呢!

 翌日の副葬品を準備する。三爷は胖大婶に電気冷蔵庫も特別に作った。このような物を彼は使った事はなかったし、おそらく胖大婶もそうだったであろう。しかし彼は冷蔵庫は相応しいと思った。作りながら彭老人と胖大婶の話をした。数えてみれば胖大婶はやっと六十歳ではないか。考えてみれば、人の命のなんと当てにならない事か。
 
老人はほぞを叩いていたが、この仕事は力を消耗させる。更にのろのろとなっている---このところ、老人は小板を一本づつ釘で打ち付け大きな橋板を作る仕事に取りかかっていた。橋板はとても広く人が二人並んで通れる幅であった。作るからには広くてしっかりした橋をつくる、と老人は言う。三爷は密かに苦笑した、この橋を誰が行ったり来たりするものか、広くしたって無駄な事。 
 
とんとんとゆっくりと打付ける響きの中、二人は東墳の他の年寄りの話もした。あの人は七十七歳で逝ったし、あの人は八十一歳だった。あの人はまだ五十歳だったな、ああ、みんなの様子や仕草や口癖、まだはっきり覚えているよ。三爷は生前の彼らが他家の葬式のいちいちに参列したがっていた事も覚えている。年を重ねる程にますます注意深く見ていた---まるで主役が異なるリハーサルを見るように。その表情は明かに、事情に通じた自信を見せていた。万事こと足れり、と。実際、彼らが身罷る時に最も望む事は、枕元に親族みな集め、五体満足なまま、頭から足まですっかりと衣服を整えて、家の床で安らかに死を迎えることであった・・・町に住む人たちの様に、切除や切開して最後には体中に管を刺されて、何処とも知れぬ病院で慌ただしく死んでいくなど、考えることもできない・・・なんて哀れな!それに比べたら、胖大婶は幸せとも言える、いい死に方だったな!

  这么地谈了一会儿,彭老人忽然想到什么,他停下敲打,给水烟袋上满了烟丝,按结实了,却没抽。又隔了一会儿,才开口,有点掏心腹的样子:“三爷,托你件事儿。”
  “嗯?”
  “我那几个孩子,离开东坝久了,不懂这里的规矩,也不懂我的心思。所以我的事,得托付你。到了我那天,想在手边上,放几样小东西……”
  “看你说的,瞧你这身板子骨!”
  “三爷,这跟身板子骨没关系,你我不都明白?”彭老人用手摩挲他的水烟壶,那烟壶是铜的,有些泛红,一圈花纹均已磨得淡了。“头一样,是这个,用了一辈子,得带上。第二样,我想放双软布鞋,我备的那寿鞋,照规矩是高跟靴帮的,我怕穿不惯。第三样,你悄悄儿的,别让别人笑话,替我拽把庄稼果实,不挑,逢着当季了有什么就是什么,麦穗、玉米穗顶儿、棉花骨朵、大豆……不定什么,鲜鲜活活地替我弄上一把,放到我边上陪着——我离不开那些个。”
 
 こんな話を一頻りすると、老人は急に何か思い付き、打つのを止めて水煙管にきっちりと煙草を詰めたが、吸おうとはしなかった。そして暫くして心の内をさらけ出すかのように、やっと口を開いた。「三爷、頼みがある。」 
 「ん?」
 「俺の子供たちは東堰を離れて長い、ここの慣わしを知らないし俺の気持ちも分かっていない。あんたに頼むしかない。その日が来たら幾つか小物を入れて欲しい・・・」
 「何を言っている、体はまだ丈夫じゃないか!」
 「三爷、それとは関係ないんだ、俺の言うことが分からないか?」老人は水煙管を撫でながら言った。それは銅製で赤味がかっていて、一面の花紋はもう擦れて薄くなっていた。「先ずは、こうだ。ずっと使っていた物を持っていきたい。二番目に、柔らかい布草履を入れてもらいたい。寿沓は用意した、決りに従えば高沓だが、履くのに慣れないんじゃないかと思う。三つめ、これはこっそりやってもらいたい、人に笑われたくないからな。俺のために果物を穫って欲しい、何でもいいんだ、その時期に実った季節の果物と、麦穂にトウモロコシ、綿の実、大豆の莢・・・何と決めたわけじゃないが、新しくて生きがいいのを一掴み棺桶に入れてくれ。それがないと逝かれない。」 
   
  “成。你放心。”三爷还能说什么呢。这是明白事,人家说的也是明白话。
  “我先想了这三样……万一有加的,再跟你说。”彭老人忽然松下来似的,他不看三爷,却蹲下身去,撩那河水洗手,水花儿亮闪闪的。
当天晚上,三爷正准备睡下,忽然听到河对面儿有人喊他,声音并不响,压着:“三爷——”,一听,是彭老人的声音。三爷松了一口气,这不会是报丧,东坝人都还平安着呢。

 「分かった、心配しなくていい。」他に何と言えるであろうか。分かり切ったことだ、老人の気持ちは明白だ。
「先ずはこの三点を考えているんだが・・・もし追加するものがあったら、また言うよ。」彭老人は急に気持ちが軽くなったようであった。三爺を見ようとせず、しゃがんで河の水を掬って手を洗った。水滴がきらきらと輝いた。

その晩、三爷が眠ろうとした時、突然川向こうに誰かの叫び声を聞いた。大きくはなく押えた声であった。「三爺ーー」、彭老人の声だとすぐに分かった。三爷はほっと息をついた、葬儀ではない、東堰の村人はみな無事である。 

  三爷披衣出来了。月亮虽好,隔着河却瞧不清那对方的神色,老人语气急促促的:“三爷,有扰了。突然想起个事,睡不着——那个,到最后,给我带走的东西,是原样儿放在身边好呢?还是烧掉才好?我听说,这跟纸钱一样,不烧成灰化了我便得不着的。”
  东坝人对于神鬼,宽容而灵活,信与不信,只在一念之间。种种仪式,他们自是谨严执事,但于结果,并不当真追究。日常祷告亦是如此,如若灵验,欢喜不尽;倘使不灵,也无恼怒。
  于是,三爷想了一想:“我看,你原样儿放在身边是一套;另外我扎成纸活儿,烧化了再一套。这样,怎么都不会错了。”
  “可不是,瞧我这笨的!那就说好了,到时你得替我另外做这三样细活儿:扎个水烟壶、扎双布鞋外加一把时令庄稼……”彭老人顺手摸摸他手边码成垛子的木板,略有些羞惭:“不过我也不是光为这事来的,主要,是来瞧瞧咱的桥……”

 彼は服を羽織って出ていった。月は出ていたが、隔たった川向うの相手の顔ははっきりとは見えない。老人は口調もせわしなく「三爺、悪いな。急に思い出した事があって、眠れなくなった---それはな、俺が逝く時に入れてもらう品物な、そのままを入れてもらってもいいものか?それとも焼いたほうがいいのだろうか?聞いたところでは、紙銭と同じでちゃんと灰にならないと俺が向こうで使えないらしい。」
 
東堰の人々は仏や霊に対してはおおようで、しなやかであった。信じるも信じないも同じようなものなのである。様々な儀式は厳粛に執り行うが、それだからといって、全くの本気と云うのでもない。日常の祈りとはそのようなものだ。若し効き目があるなら大喜びだ。効き目がないとしても怒る事もない。
 そ れで三爷はちょっと考えた、「俺は思うんだが、本物を一組入れて、その他に俺がそっくりの紙細工を作って燃やす。こうすれば何も不都合はない。」
 
「なるほど、俺は盆暗だ!そうしよう。お前にあの三つを別に作ってもらう。水煙管と布履と時期の農作物を・・・」老人は積み上げた木材を擦った、些か恥ずかしそうであった。「だけどな、これを言うためだけに来たんじゃないぞ。俺たちの橋を見ようと思ってな。」
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by dangao41 | 2011-08-15 06:49 | 魯敏・離歌  | Comments(0)

離歌10

  一个夏天过去,有了众人零打碎敲的帮忙,加之彭老人日日不舍,这木桥,其构件似乎也弄了个大概齐——大半人高的丫形木桩共七对,木条拼成的大宽板子结结实实,足有二三十块。可这到底不是搭积木,那河水又总在河里,总在流着,怎么个安放下去呢?放下去会不会又被冲走呢?
  妇女孩子们不懂,只乱出主意。男人庄稼汉们,都是外行,也没个主张。彭老人丢了几块砖到河中心,看那水花的大小,听那落底的动静。他想了一想,最后拿出个大主意:等冬天吧,水枯下去一些,咱再下桩。
  众人一想,也对,一个个笑嘻嘻的,无限乐观起来,一边往那空荡荡的河上瞧。可不是,瞧这夏季里河水肥的,绿叶子在上面漂着,水草与田螺在底下长着。

 夏が過ぎていった。ぽつりぽつりと手伝ってくれる村人もいて、老人は毎日こつこつ仕事を続けた。木橋の部材は大体揃ったようであった。人の高さ程のY型の柱が七組、繋がれた広い板はしっかりと仕上がり全部で2,30枚もありそうだった。しかし、積み木を組む分けではない、河には水があり、その水は流れている、どうやって安定させるのだ?組み終わったら又壊れてしまわないだろうか?
 
女子供は分からないくせに、ただ色々と口をはさむ。男たちは農民で素人であるので何も思いつかず言えない。老人は煉瓦をいくつか川の真ん中に放り込む。大小のしぶきがあがり川床に落ちてゆく水音が聞こえる。老人は考えを巡らせ、最後に気持ちを決めた。冬になったら水は少なくなる、そうしたら杭を打とう。
 
村人たちはちょっと考えて賛成し、先の見通しが立ったように思い、みな嬉しそうに笑いながら、広い川を眺めた。成るほど、この夏は水量が多い、流れは面に緑の葉を浮かべながら、その底では水草と田螺を育てている。
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by dangao41 | 2011-08-15 05:21 | 魯敏・離歌  | Comments(0)