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祝福10 (終)

她当时并不回答什么话,但大约非常苦闷了,第二天早上起来的
时候,两眼上便都围着大黑圈。早饭之后,她便到镇的西头的土地庙
里去求捐门槛,庙祝起初执意不允许,直到她急得流泪,才勉强答应
了。价目是大钱十二千。她久已不和人们交口,因为阿毛的故事是早
被大家厌弃了的;但自从和柳妈谈了天,似乎又即传扬开去,许多人
都发生了新趣味,又来逗她说话了。至于题目,那自然是换了一个新
样,专在她额上的伤疤。
 
祥林嫂はその時は何も言わなかったが、おそらく大そう思い悩んだのであろう。次の朝に起きてきた時は目の下に隈をつくっていた。朝食の後、彼女は町の西にある氏神様へ奉納の敷居を求めに出掛けた。始め寺守は頑として許可しなかったが祥林嫂が涙をポロポロこぼすに至ると、しぶしぶ承知した。価格は一万二千もの大金であった。阿毛の話はとっくに人々に愛想をつかされていたから、彼女は久しく人々と言葉を交わしていなかった。けれど柳おばさんには自分から喋ったので話はすぐに広まったらしく、皆は新たな興味でやって来た。話題はといえば、当然に新しく取り換わって彼女の額の傷跡である。  

“祥林嫂,我问你:你那时怎么竟肯了?”一个说。
“唉,可惜,白撞了这-下。”一个看着她的疤,应和道。
她大约从他们的笑容和声调上,也知道是在嘲笑她,所以总是瞪
着眼睛,不说一句话,后来连头也不回了。她整日紧闭了嘴唇,头上
带着大家以为耻辱的记号的那伤痕,默默的跑街,扫地,洗莱,淘米。
快够一年,她才从四婶手里支取了历来积存的工钱,换算了十二元鹰
洋,请假到镇的西头去。但不到一顿饭时候,她便回来,神气很舒畅,
眼光也分外有神,高兴似的对四婶说,自己已经在土地庙捐了门槛了。
 
「教えてよ祥林嫂、何で承知したの?」一人が言う。
 「残念だったね、無駄にぶつけちゃって。」一人が額の傷跡に目をやり合わせる。
 祥林嫂は彼女たちの笑い顔や声の調子に嘲りを感じたのであろう、いつも睨むだけで一言も答えなかったし、のちには振り返りもしなくなった。いつも口をしっかり閉じ恥辱の印の傷を頭に刻んで黙々と町を歩き、掃除をし、菜を洗い、米を研いだ。一年が経ち、四婶に預けていた賃金を受け取ったが、銀貨に換えれば12元となっていた。暇をもらって西头へ出かけて行き、食事前にはもう戻ってきた。とても気分が良さそうで、目を輝かせ嬉しそうに氏神さまに敷居を納めてきたと四婶に話した。

冬至的祭祖时节,她做得更出力,看四婶装好祭品,和阿牛将桌
子抬到堂屋中央,她便坦然的去拿酒杯和筷子。
“你放着罢,祥林嫂!”四婶慌忙大声说。
她像是受了炮烙似的缩手,脸色同时变作灰黑,也不再去取烛台,
只是失神的站着。直到四叔上香的时候,教她走开,她才走开。这一
回她的变化非常大,第二天,不但眼睛窈陷下去,连精神也更不济了。
而且很胆怯,不独怕暗夜,怕黑影,即使看见人,虽是自己的主人,
也总惴惴的,有如在白天出穴游行的小鼠,否则呆坐着,直是一个木
偶人。不半年,头发也花白起来了,记性尤其坏,甚而至于常常忘却
了去掏米。
 
冬至の先祖供養の日には彼女は更に骨身を惜しまず、四婶がお飾りを整え、阿牛と卓を部屋に運び入れるのを見ると、ごく自然に酒杯と箸を取ろうとした。
「いいのよ、祥林嫂!」四婶は慌てて大声を出した。
 祥林嫂は焼き鏝に触れたかのように手を引っ込めると同時に顔色を変え、もう燭台に手を出そうとはぜず、ただ呆けたように立っていた。四叔が線香を灯す時、出て行くように言われてやっと立ち去った。その後の彼女の変化は大きかった。翌日、目が窪んでしまっただけでなく元気もなくなった。しかもひどく臆病になり闇を恐がったばかりか影をも恐れた。人を見れば、それが主人であってさえもびくびくし白昼穴からでてきた小鼠のごとく怯え、さもなければポカンと座り込み全くの木偶であった。半年と経たず、白髪が目立つようになり、物覚えはとりわけて悪くなり、果てには米を研ぐことすら度々忘れるようになった。 

“祥林嫂怎么这样了?倒不如那时不留她。”四婶有时当面就这
样说,似乎是警告她。
然而她总如此,全不见有伶俐起来的希望。他们于是想打发她走
了,教她回到卫老婆于那里去。但当我还在鲁镇的时候,不过单是这
样说;看现在的情状,可见后来终于实行了。然而她是从四叔家出去
就成了乞丐的呢,还是先到卫老婆子家然后再成乞丐的呢?那我可不
知道。
 
「祥林嫂はどうしたのかしら?あの時、引き受けなければよかったわ。」
四婶は注意のつもりだったろう、時には面と向かってこう言った。
しかし祥林嫂はいつもこの様で、回復の兆しは全くなかった。そこで主人夫婦は暇を出すことにし、衛婆さんの所へ戻るように言った。私がまだ鲁镇にいた頃はそのように聞いていた。今の状況を見れば、戻らなかったのは明らかである。彼女は四叔の家を出るとすぐ物乞いになったのか、それとも衛婆さん所へ行ったあと、物乞いになったのか? それは私には分からない。
  

我给那些因为在近旁而极响的爆竹声惊醒,看见豆一般大的黄色
的灯火光,接着又听得毕毕剥剥的鞭炮,是四叔家正在“祝福”了;
知道已是五更将近时候。我在蒙胧中,又隐约听到远处的爆竹声联绵
不断,似乎合成一天音响的浓云,夹着团团飞舞的雪花,拥抱了全市
镇。我在这繁响的拥抱中,也懒散而且舒适,从白天以至初夜的疑虑,
全给祝福的空气一扫而空了,只觉得天地圣众歆享了牲醴和香烟,都
醉醺醺的在空中蹒跚,豫备给鲁镇的人们以无限的幸福。
 

私がこんな事を考えたのも近くの爆竹の音で目を覚ましたからである。豆粒くらいの大きさの黄色い光が見えると、続いてばんばんと爆竹が破裂する。四叔の家は正に「祝福」にあり、五更も近い時刻である。私はぼんやりとした意識の中、遠くの絶え間ない爆竹の音をかすかに聞いていた。この日、爆竹の音は厚い雲に溶け込んでいるようで、舞い飛ぶ雪花と共に町を抱きかかえていた。この響き合う音の中、私はぼうっとしつつも心地よく、昼から宵までの懸念は祝福の醸し出す気分に一掃されていった。天地の神々は供えられた甘い酒と香煙を快く受けて酔っぱらい、ふらふらと空中をさ迷っている。町の人々に無限の幸せを準備してくれているのだ、と私はただそんなことを思っていた。                             (終)                                         
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一九二四年二月七日
(原刊1924年3月25日《东方杂志》第21卷第6号)

(《彷徨》)
by dangao41 | 2011-09-07 13:17 | 魯迅 | Comments(0)